「八つ墓村」

前作の「犬神家の一族」のインタビューで星護さんが
「横溝作品は知識としては知ってはいたが、実はあまり読んだことがなくて改めて読み直しました。
そしたら非常に面白かった。ストーリーの奇抜さというか、ディテール、細かい部分の気配りなど、
ほとほと感心したんですね。それで、この原作に忠実にやりたい
、原作の面白さを映像で表現したいと直感しました。」
と語られているように今回の「八つ墓村」も原作に忠実に描かれていました。


金田一耕助にしても星護さんが「石坂さんや古谷さんとはまた違う、人懐っこい笑顔も見せる反面、
しっかりとその頭脳で推理し、人々の動きをじっと静かに見ている男・・・
つまり「脇からみている男」という面が強調された金田一になったのではと思います。」
普段はのんびりしているのですが、事件のことで興奮すると早口になってしまうという
金田一耕助も一番原作に近くなっていますね。今回の『八つ墓村』はまさに「脇からみている男」でした。

また、稲田秀樹さんが「原作にある金田一は奇怪な事件を喜んだり、すごく自己顕示欲が強かったり、
なかなかユニークな描かれ方をしてるんですよ。
それで稲垣版ではそのユニークさを押し出してみたらどうかということなりました。
吾郎君ご本人も心配していましたが、
下手をすると主人公として愛されないんじゃないかという危険性もありました。
ただ今吾郎君でやるならば、あえてそこへ踏み込んで新しい主人公像を作り出すべきじゃないかと・・・。
結果としては、吾郎君にしっかりと自分のものとして演じて頂いて、
それこそ愛すべき主人公になったと思います。」
この愛すべき金田一耕助のおかげで
前作「犬神家の一族」(3時間)と今回の「八つ墓村」(2時間半)を最後まで見られたのです。

製作にあたり佐藤嗣麻子さんの日記に記されていましたが
テレビ放映での規制があり最作側の苦悩の中よくここまで表現されたと思います。
映画として作られたならどのようになっていたのか見たくもなりました。

「怖い話というのが苦手なので…。基本的に、怖いものは見ないようにしているんですよね」と
言う小日向文世さんと同じ。私も見ようとしても最後まで見ることは出来なかったのですが、
この2作品は見やすく「もう終わり」というくらい作品に引き込まれました。


「僕がアップした時に、監督に「お疲れさまでした」って言ったら、「また来年!」って言っていたので、
出来るだけやりたいですね。横溝先生が出てくる金田一耕助シリーズって、
あんまりないと思うんで、是非、稲垣くんの金田一をシリーズ化してほしいな、と思います」
小日向さんもおしゃってるようにシリーズ化してほしいです。
星監督の「また来年!」という言葉を信じて、「稲垣吾郎金田一耕助」を楽しみにしたいと思います。


10月30日公開の映画「笑の大学」楽しみです。
今度はどんな<星護監督と稲垣吾郎>の作品になるのでしょうか。
私は、今のところ<ソムリエ>が好きですけど。