真央、4回転ループ回避 トリプルアクセルに集中 

きょう世界ジュニア選手権開幕

6日に開幕するフィギュアスケートの世界ジュニア選手権で、
2連覇を狙う浅田真央(15)=グランプリ東海ク、名古屋・高針台中3年=が
5日、当初から希望していた4回転ループの挑戦を回避し、
トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に集中することを決めた。
当地入りしてからの公式練習でジャンプの調子が上がらず、自らの意思で決断した。
またこの日、6日の予選の滑走順抽選も行われ、真央はB組の10番目に決まった。
予選後、ショートプログラム(SP)は7日、フリーは9日に行われる。

 最後は自分で決めた。当地入りしてから、得意のジャンプに切れがない真央。
こっちに来る前から、調子はあまり良くないです」。
その言葉通り、これまで見たこともないくらいに、精彩を欠いていた。

 大会前から、初チャレンジに意欲を見せていた、前人未到の4回転ループ。
だが、その前に“伝家の宝刀”トリプルアクセルでつまずいていた。
5日の午前中まで、計5回の公式練習で約50回トライしたが、クリーンな着氷はなし。
さすがの真央も、リンク上で表情を曇らせていた。

 過去に例を見ないピンチ。
だが真央の実力なら、たとえ4回転ループがなくても、十分に戦える。やるのか、やらないのか。
私は止めもしないし、勧めもしません」。
山田満知子コーチ(62)は、真央の意思にすべてをゆだねた。

 そして、山田コーチから「決まったら教えてね」と言われていた5日。真央は、ついに決めた。
多分、4回転は間に合わないと思う」。
トリプルアクセルに練習時間を割いているため、4回転ループまで手が回らなかったのだ。
考えに、考え抜いた末の決断。
その分、トリプルアクセルは「予選で入れたい」と、従来の切り札へ集中するつもりだ。

 まだまだ成長過程の真央にとって
やる決断も、やめる決断も、将来につながる大きな経験になると思う」と山田コーチ。
そのためにも、4回転ループを抜いたものなど、数パターンのプログラムを用意しており準備に抜かりはない。

 大きな試練を、自らの意思で乗り越えようともがく天才少女。
その苦しみの先には、きっと大きな成長が待っているはずだ。[中日スポーツ]


3月12日(日)16:00〜17:25
フジテレビ 『2006世界ジュニアフィギュアスケート選手権

 『little wings―新世代の女子フィギュアスケーター8人の素顔