愛と生命と涙の全記録「余命1ヶ月の花嫁」〜乳がんと闘った24歳最後のメッセージ〜

2007年7月18日 水曜日よる6:55から
▼出演者
司会:三雲孝江
杉尾秀哉 小倉弘子 藤森祥平
スタジオゲスト:石原さとみ、平松秀子(平松レディースクリニック)
ナレーション:藤原竜也

みどころ
乳がんと闘って24歳の若さで他界した女性の、闘病生活に密着した感動のドキュメンタリー!


今年5月10日と11日の2日間、夕方のニュース番組『イブニング5』の特集コーナーで放送された「24歳の末期がん」は、放送終了後、スタッフの予想以上の反響があった。その中の多くは、"感動した"、"もう一度みたい"、"もっと多くの人が見られる時間に再放送してほしい"というものだった。
それらの反響に後押しされるように、今回の特番が実現したことになる。
番組では、乳がんのため余命一ヶ月と宣言された長島千恵さんの最後の一ヶ月を密着取材。父親、恋人、多くの友人に支えられた千恵さんの闘病生活を通して命の尊さを一人でも多くの人に感じてほしいと思っている。


内容
長島千恵さん、24歳。今年4月『イブニング5』のスタッフが彼女に初めて会ったとき、彼女はすでに末期がんに冒されていた。しかし「がんと闘う自分の思いを同世代の人たちに伝えたい」と取材に応じてくれた。
いつも彼女を献身的に看病していたのは、父親・貞士さん。千恵さんはいつか父親と二人で京都に旅行したいという夢を語ってくれた。
もう一人、千恵さんをいつも支えていたのは恋人の太郎さん。太郎さんは病院に泊まりこんで、千恵さんを励まし続けた。しかし貞士さんも太郎さんも、すでに千恵さんの余命が一ヶ月しかないことを知っていたのだ。
そんな千恵さんの夢、それは「ウエディングドレスを着ること」。彼女の望みをかなえるため、友人たちが太郎さんとの模擬結婚式を計画し、4月5日に実行した。そこで彼女は最高の笑顔を見せた。
しかしがんは千恵さんの身体を静かに蝕んでいた。模擬結婚式から一ヶ月後の5月6日、千恵さんは天に召されていった。

TBS:愛と生命と涙の全記録「余命1ヶ月の花嫁」〜乳がんと闘った24歳最後のメッセージ〜

『明日が来ることは奇跡』 若年性乳がんで逝った24歳女性 TBS『イブニング5』に反響
2007年7月16日 朝刊

 今年五月、若年性乳がんのため二十四歳の若さで亡くなった長島千恵さん=神奈川県三浦市出身=の“最後の一カ月”を追ったTBS「イブニング5」の特集に約百件の反響が寄せられている。同局では十八日の「水トク!」(午後6時55分)で、その後の経過なども加えた“完全版”を「余命1カ月の花嫁」と題して放送する。自殺が社会問題化し、命の軽視が指摘される今、最愛の父と恋人を残して逝った千恵さんの「明日が来ることは奇跡。それを知っているだけで日常は幸せなことばかり」とのメッセージが胸に深く迫る。 (安食美智子)

 千恵さんは、九年前に卵巣がんで母・雅代さんを亡くし、父の貞士さんと二人暮らしだった。若年性乳がんと診断されたのは二年前の秋。胸にしこりを感じながらも「まさか自分が…」との思いから通院を先延ばしにしていた。そんな時、イベントコンパニオンの仕事で会社員の赤須太郎さん(30)と出会い、乳がんであることを告白した上で交際が始まった。

 昨夏の乳房除去手術後、千恵さんはシステムエンジニアとして再就職したが、今年三月に再発、国立がんセンターに入院した。肺や骨に転移し、すでに末期。担当医は三月末、貞士さんと太郎さんに「余命一カ月」と宣告した。

 太郎さんは毎日、仕事を終えてから病院に泊まりこみ、貞士さんともども献身的な看病を続けた。ウエディングドレスを着たいという千恵さんの夢をかなえようと、友人らが本人に内証で四月五日に模擬結婚式を行うことを企画。千恵さんは、苦しい闘病生活で気づかなかった生きていることの幸せをかみしめ、取材スタッフの「病気が治ったら」との問いかけに「父親と京都に旅行に行きたい」と笑顔で答えていたが、病魔には勝てず、一カ月後の五月六日に他界した。

       ◇

 「もうちょっと早く気づいていればこうならなかった、と多くの人に伝えたい」。医師の診断結果は知らされていなかったが、母親の闘病生活も目の当たりにした経験から、自身の病状の深刻さも感じ取っていたらしい千恵さんは、自分の思いを友人を介して同局報道部に連絡。「イブニング5」は四月から亡くなるまで密着取材を続け、五月十、十一日と二日連続で、十分程度の特集「24歳の末期がん」として放送。放送直後から視聴者の反響が殺到した。「命が惜しくないと思っていたが、間違っていた」「今何となく生きている、という人にこの(千恵さんの)姿を見せたい」「何げない生活が本当に幸せなのだと気づいた」−。感動の言葉とともに、再放送を望む声が多く寄せられた。

 「何といっても父親、恋人、友人とのきずなの深さ。千恵さんの人徳だが、ここまでやるかというほどの献身ぶりだった」と「イブニング5」を担当する島田喜広報道部長は明かす。亡くなるという痛ましい結末であったことなどから、一時は放送をためらったが、「千恵さんのメッセージのおかげで、期せずして命の貴さを力強く訴える特集になった」と振り返る。

 「イブニング5」からは初の特番化となる今回は、番組の三雲孝江、杉尾秀哉両キャスターや小倉弘子藤森祥平両アナウンサーのほか、千恵さんと同年代の女優・石原さとみ乳がんの治療に詳しい平松秀子医師も出演。俳優の藤原竜也がナレーターを務め、現在も交流を続けているという貞士さん、太郎さん、友人らの“その後”も伝える。

 また、早期発見の重要性を訴えていた千恵さんの思いを届けようと、日本人女性の二十人に一人がかかるという乳がん治療の現状も紹介する。

東京新聞

山口 真理子, 朝日新聞乳がん検診」取材班
乳がんはなぜ見落とされたのか 「余命半年」の私にできること
村井国夫, 音無美紀子
妻の乳房 -「乳がん」と歩いた二人の十六年
宮田 美乃里
乳がん 私の決めた生き方―限りある命を花のように
田原 節子
遺書―笑う乳がん闘病記
乳房健康研究会
20歳を過ぎたらBreast Care―もっと乳がんを知ろう 自分をまもる早期発見のために
にしきの あきら
最後のプロポーズ―乳ガンで逝った最愛の妻に捧ぐ
大内 憲明
マンモグラフィによる乳がん検診の手引き 第3版増補
田村 まり子
わたしは風にのって―ポレポレ乳がん闘病記